Quantcast
Channel: 続、職人のひとりごと
Viewing all articles
Browse latest Browse all 323

物を造ってお客様に買っていただくということ、、、、、、直すということ

$
0
0

最近非常に多いのがよそ様でお直しをしたもの、よそ様でリフォーム(造り変え、デザインチェンジですね)をしたものが「こんなはずでは」とお客様の声とともに持ち込まれます.

たとえばブシュロンさんのキャトルの縮め、その他カルティエさんのラブリングや2C、ラニエールの縮め、それも1番ダウンや、2番ダウンの縮めなのに、刻印も無くなり、お品物も薄くなり、違うお品物になって返ってくる。それを説明もなく、ただ、「できますよ」って言って受けているお店があるみたいなんです、、、、、、、


ひどい場合は地金の色も違ってくる、、、、、
「うちはレーザー溶接ですからきれいになおりますよ」って言っていて出来上がって一回使って足した地金部分がボロッと落ちてしまって、、、、、、、、、、。


本当にちゃんと説明をしているんであろうか?と疑問に思うことが異常に多い。
リフォームでもデザイン画の画像をパソコンで作って、出来上がりが全く違う。デザインそのものが違うのである。それは明らかにだましだし、それでお金をいただいているのかと思うと本当にお客様が気の毒に感じてしまう。


もう少し具体的にどう直して、どういう感じになるか、、、、、、、、それをお客さまに伝えて、了解をいただかないと、、、、、、「色が変えあると思わなかった」、「こんなに簡単に取れちゃうなんて」と驚いて、お店に再度言ったら「こんなもんが限界です」ってヤケに限界が低い。


生意気なことを言って怒られるのを承知で書くが、まだ専門学校や美大、芸大の学校に行っている学生のほうがましだと感じる。

レーザーでやるのであれば地金の特性、レーザーの特性、職人であればそれをもっと理解するべきだし、考えるべきだと思います。
それを販売する方も、販売する際に、又は直す際にそのメリットデメリットをきちんと自分が理解してお話しするべきです。
ダイヤを販売するときも、他のお石を販売するときも、それはパールだろうと、翡翠だろうと、
地金だろうとなんでも一緒です。
「高いから売れない、もっと安くしないと、、、、」という前にお直しでも,製作でもカスタムでも、その本質を理解するべきです。
本当に最近は、自称「プロ」が増えてしまいました。自分がプロと名乗れば、例えアマチュアのほうが上手くてもプロになります。
だから最近は、アマチュアのほうが知識があったり、こだわって作って綺麗だったりします。
自称プロ、、、、、、ちゃんと修行もしないで勉強もしないでそれでも許される世の中になっちゃいましたからね、、、、、
情報量は多いんですがそのものの本質の情報はなかなかないですからそうなって当然です。

綺麗なもの、丁寧なものは何もプロじゃなくてもできるんです。こだわったアマチュアでも作れるんです。プロは、、、、、、、失敗をミスを技術でごまかせます。
もともと完璧でないものがお直しで入ってくるんです、それを完璧にはできなくても、完璧に見せることはプロはできます。そのチャンネルが圧倒的に不足しています。

僕の親方が僕がまだ修業時代の若かりし頃言ってた言葉が最近身に沁みます。

「いいか小僧!!、だいたいよお、職人で自分で仕事の質を落とすってこたあないんだよ。世間やお客が質を落とせって言ってる場合が大半だ、、、、それに流されたら職人も終わりだからな!!覚えとけ!!」
確かにお金は大事ですから、売れる売れないは重要なことかもしれません。でもその前に、本来プロがそれにながされちゃいけないんです。
極端な人だったからそれが正解か、不正解か僕にはわかりません。ただ、僕はあの人の弟子なので、あの人が黒って言ったら白いものも黒です。それをやはり親方が死んで20年たってもやはり守っていますし、最近では極端かもしれないけど間違っていないと本当に思います。

昔の職人だから、きっと今時ではないんだと思います。例えは最悪ですが、
「いいか、小僧!!プロってーのはなあ、浣腸されても固いウ○コ出さなきゃいけねえんだ!!」極端ですが職人だったら、それくらい自分のやっていることに志も、プライドも持ってほしいと思います。
なんか今の時代(時代のせいにするのも都合がいいかもしれませんが、、、、)自称プロ、芸術家気取りの作家が多すぎます。世界も見ないで、歴史や、文化も勉強もしないで何がプロか、、、、、、最終的にはお客様がそれを選ぶんですが、自称芸術家、自称プロだったら、お客様を惑わすことはせめてやめてほしいです。
「職人つーのはよお、お客さんの為に仕事をして、感謝されてこその職人だからよお、金じゃあねーんだよ!!だから俺たちのこしらえたものは商品じゃないといけねえよな!!お客さんにとっては作品だけど、俺らにとっちゃあ商品だ。作品とは芸術家の先生が、自分を納得させるために作った自己満足だからよお、作品でもいいんだけど、俺たちはそれじゃあいけねえんだよ。お客さんが満足しねえと!!」これくらいのプライドは持ちたいです。

僕がヨーロッパに修行に行く前に「いいか、”先生”にはなるなよ!!箔付いたって、いいもん作ってうまくなったって、一生涯職人でいろよ!!わかったな!!」と言われたのを思い出します。正直、うちの親方、、、、、、別に世間から見たらただの代わり者の偏屈者で負け惜しみを言ってるわけではありません。国から伝統工芸士として勲章もいただいていますし、宮様のお仕事もやらせていただいていたれっきとした世間から見たら先生です。本人はその呼ばれかた異常に嫌がっていましたけど(苦笑)

その辺のチンピラ職人やチンピラ作家が世界も見ないで、勉強もしないで「カリスマ」になりすぎです。
いわゆる、今はやりの自分ブランディングですね、、、、、、、、、(苦笑)

「あのよお、職人気質って言葉はあるけど世の中、芸術家気質って言葉はねーよな、芸術家気取りって言葉はあるけどな、、、、、(小笑)」それくらいプライドもってお客様の為に仕事がしたい、、、、、、そう思います。

「いいか小僧!!人間出世したか、しないかじゃねえぞ、いやしいか、いやしくないかだ!!」

知識も、技術も、歴史も文化もしっかり勉強しましょうよ!!

「俺はよお、名もない職人だけど、売るために品物をこしらえたこたあねえよ!!ありがたいことに俺の作ったもんがお客さんが買ってくれるんだよ」

そんな品物を作れる職人に僕はなりたいと思います。

売る前に、、、、お客さんが困っていること、不安に思っていることを何とか僕の持っているもので一つでも解消して差し上げられたら、、、、、、、そんな職人になりたいです。

志を持ちましょうよ!!みなさん!!

ブランディングも結構ですが、勉強いたしましょ。修行いたしましょ。がんばりましょうよ!!

カルティエさんやブルガリさんがインターナショナルブランドだから高く売れるわけではないんです。そんな説明をしているような輩はプロではありませんし信用はできません。
それなりに手間も時間もかかっています。バリ(金属の磨きのこし、破片がでてしまっていること)のあるものなんて絶対に売り場には出ませんし、
石留めがそろっていない、バラバラな状態の品物なんて絶対にないんです。
ミキモトさんが華珠の¥39800なんてパールは絶対に出しません。それはミキモトがパールに品物に手をかけているからです。偽の厚巻パールなんて出しません。れっきとした厚巻だし照りツヤも申し分ないからあの値段なんです。
必ず本質があります。そこに行きつくまで母体も大きいし、統一するのにお金もかかります。それを理解して作って手をかけているからあの値段なんです。

うちは、まだまだ個人の工房レベルですが、僕が世界基準を見ているし、一切外注を使わずすべて自社で無理とやせ我慢をしながらやっているからこの値段で出せるんです。
決して嘘は言いませんし、だましはしません。ヨーロッパでだてに15年仕事をさせてもらってきたわけではありません。それを反映させて出し惜しみなど一切しないで仕事をしています。
そりゃ、職人なんであとで後悔するものを出したくないからこだわりすぎるあまりお客様にご迷惑をおかけすることも多々あります。だけど仕事に嘘はつかないし、妥協は一切しません。

偽のカリスマではなく本質を!!
正しいジュエリーの直し方、作り方を!!それが一番の望みですし、一人でも笑顔になりますように!!いい加減な作り、修理を撲滅しましょう!!










Viewing all articles
Browse latest Browse all 323

Latest Images

Trending Articles